アカウンティングコンペティション2024-岩田弘尚ゼミナール2年連続受賞!

2024年12月15日、日本大学商学部(東京都世田谷区砧)にて「アカウンティングコンペティション2024」(以下、アカコン)の決勝が開催されました。本大会は、2016年に創設された会計学分野における大学生の研究大会であり、全国から会計学を学ぶ大学生が集まり研究成果を発表します。第9回となる今年度は予選を動画提出方式、決勝を対面/遠隔選択方式にて開催し、26大学36ゼミナール84チームがエントリーしました。発表、審査は学術的研究分野と実践的研究分野に分かれて行われます。

管理会計で探る成功の舞台裏:学生たちが挑んだふたつのプロジェクト

今年度の第9回大会は、専修大学経営学部から岩田弘尚ゼミナール(以下、岩田ゼミ)が2チーム出場し、統合報告チームが優秀賞を受賞しました。受賞テーマは、「非営利組織における統合報告書導入の促進・阻害要因 ―認定こども園におけるアクションリサーチを通じて―」です。また、昨年度の第8回大会にも2チーム出場し、本(Book)チームが優秀賞を受賞しました。受賞テーマは、「ジャンボン・ド・ヒメキの競争優位の源泉の解明 ―インタビューによるナラティブ分析を用いて―」です。それぞれまったく違うテーマですが、どちらも本気で取り組み、多くの学びと感動を得ることができました。

■百草台幼稚園との実践から学ぶ:越境学習としての統合報告書づくりの挑戦

統合報告チームは、「非営利組織における統合報告書導入の促進・阻害要因」をテーマに研究を行いました。統合報告書とは、企業がどのように社会的価値を創造しているのかを示すコミュニケーションツールです。企業では導入が進む一方で、非営利組織ではまだ普及が進んでいません。そこで、私たちは導入を促進する要因と阻害する要因の解明を目指しました。

岩田弘尚ゼミナール統合報告チーム

-幼稚園とともに“実際に作る”統合報告書

研究のフィールドとして協力いただいたのは、東京都日野市にある百草台幼稚園。理事長の小宮山直樹先生を中心に教職員の方々にもインタビューを行い、SCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析を進めました。アクションリサーチとして実際に統合報告書の制作を進めながら、その過程で得られたデータをもとに研究を深めました。

-知らないから始まった、越境学習の旅

統合報告書については、当初私たち学生も全く知識がなく、専門用語の多さに苦労しました。ですが、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークを学びながら、百草台幼稚園と教え合い、協力しながら作成を進めることで、少しずつ完成へと近づけていきました。夏休み期間はほぼ毎日、文章の構成や記載項目、参考にする企業の選定など、話し合いを重ね、園を訪問して写真撮影や取材も行いました。完成までに何度も手直しを加えた統合報告書が出来上がったときには、達成感で胸がいっぱいでした。

-経験がもたらした、越境する学び

この経験を通して、統合報告に関する知識だけでなく、チームでの連携力やプロジェクト推進力も養われました。また、管理会計の枠を越えた「越境学習」として、未知の領域に飛び込む面白さや価値も実感しました。

■生ハムベンチャーのブランドに迫る少人数で生まれる大きな価値を管理会計で解明

本(Book)チームは、「ジャンボン・ド・ヒメキの競争優位性の解明―インタビューによるナラティブ分析を用いて―」というテーマのもと、産学連携プロジェクトと研究に取り組みました。目指したのは、長野県の小さな町・長和町で国産生ハムを手がけるベンチャー「ジャンボン・ド・ヒメキ」の成功要因を本として残し、管理会計のインタンジブルズ(目に見えない無形の資産)の視点から紐解くことです。

岩田弘尚ゼミナール本(Book)チーム

-地元の気候と麹菌を活かす唯一無二の生ハムづくり

ジャンボン・ド・ヒメキのブランドストーリーを執筆を進めるなかで、オーナー・藤原伸彦さんへのインタビューを通じて、多くの驚きを得ました。藤原さんの生ハムは有名レストランで使用され、雑誌やテレビでも紹介されるなど、その「すごさ」は枚挙にいとまがありません。こうした事業が少人数で運営されていることに感銘を受け、私たちは「なぜ成功しているのか」を本格的に研究することに決めました。

-ナラティブ分析という新たな挑戦

研究手法として私たちが選んだのは、SCAT(Steps for Coding and Theorization)という質的分析の手法です。経営学分野では珍しいこの手法を用い、長時間にわたるインタビュー内容を丁寧に読み解いていきました。その成果は評価され、2023年度の第8回アカウンティングコンペティションの学術的研究分野で優秀賞を受賞することができました。

-意見をぶつけ合い、より良い結論へ

質的研究は「正解が一つではない」分野。チームメンバー同士で何度も意見をぶつけ合い、全員が納得する結論を導き出すまで何度も議論を重ねました。自分の意見に説得力を持たせるため、情報を調べ、考えを深める――それは簡単ではありませんでしたが、最高の結論を導くための大切なプロセスだったと感じています。

-研究を通して得た学び

研究テーマを設定する段階では、「研究の学術的意義」や「研究の」など、社会との接点を意識する重要性を学びました。また、議論の中では「批判的思考力」や「多角的視点で物事を見る力」を養うことができました。プレゼン発表では、資料の見せ方や声の出し方、話すスピードなど、伝える技術の大切さも実感しました。これらのことは、今後の社会人生活においてもとても役立つと思います。

おわりに

ここまで紹介してきたように、専修大学経営学部岩田弘尚ゼミナールは、アカウンティングコンペティションで2年連続優秀賞という成績を残すことができました。私たちはこれらの経験を、これからの学びや社会人としての実践に、しっかりと活かしていきたいと思っています。

最後に、ご指導いただきました専修大学経営学部岩田弘尚教授と産学連携先の関係者の皆様にお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

<関連ページ>
・Accounting Competition:http://accocom.com/

・認定こども園 百草台幼稚園::https://www.mogusadai.ed.jp/

・ジャンボン・ド・ヒメキ:https://www.jambondehimeki.com/

・専修大学経営学部 岩田弘尚ゼミナール:https://www.facebook.com/iwata.lab/

取材・文:経営学部3年 杉野響、佐藤妃音、経営学部4年 床爪心音
編集:経営学部3年 松本潤佳、山口梨乃