専修大学経営学部では、3年次からゼミナールに所属することができます。講義よりも深い専門的な内容を学び、仲間と共に組織的に活動する中での実践を通じた学びも得られることがゼミの魅力です。経営学部には24のゼミがあります(2024年度時点)。その中から、1つのゼミを選ぶのはどうしても迷ってしまいますよね。この記事では、国産生ハム(??)、インタンジブルズ、産学連携によるアクティブラーニングといった1、2年生の講義では登場しなかったキーワードがカギとなる岩田弘尚ゼミナール(以下、岩田ゼミ)について、約2年間の活動を終えた4年生の先輩2名に対するインタビューからゼミの雰囲気や活動内容などをご紹介します。

岩田弘尚ゼミナールの雰囲気は?
ーお二人が岩田ゼミを選んだ理由は何ですか?
崎野さん:私は公務員を目指していた時に、ゼミのテーマである「地方創生」というキーワードが公務員に関連してると感じ、試験に活かせそうだと思ったからです。また、当時は商品開発についても気になっていて、過去の先輩方が長野の食材を生かした商品開発に取り組まれていたのを知って、私もアクティブラーニングをやってみたいと思いました。
林田さん:私は1、 2年生の時に特に頑張ったことがなくて、何か1つのことに全力で取り組んでみたいと思ったからです。岩田ゼミでは産学連携を通して様々な活動に楽しみながら全力で取り組んでいたので、そのようなゼミで活動したいと思い、選びました。
ーゼミの雰囲気はどのような感じだと思いますか?
崎野さん:穏やかだと思います。男女先輩後輩関係なくなんでも言い合える関係が築かれており、心理的安全性がありますね!
林田さん:同じく基本的には穏やかな雰囲気だと思います。ただ、メリハリがあるのでやる時はやる!といった感じでガラッと変わることが多いです。
ーゼミ生にはどのような人が多いですか?
崎野さん:優しく、真面目で何事にも積極的に行動できる人が多いと思います。
林田さん:確かに!優しいだけじゃなく、それぞれ自分の意見をもっていてしっかりと相手に伝える人が多いですね。また、皆様々な面で優秀です。お互いに切磋琢磨しあえる関係を築けます。

秋のイベントを終えて:地元の食材と産学連携先の商品を生かしたお弁当を企画・生産・販売・PR
産学連携アクティブラーニングで大学の外へ!
ー実際にどのような活動をしていますか?
崎野さん:岩田ゼミでは、3年次に上がる前の春休みに合宿で長野県へ行きます。2024年の春は、産学連携でお世話になっている長野県長和町に位置する国産生ハムのベンチャーのJambon de Himeki様へのご挨拶や自分たちが秋のイベントで販売する生ハムの仕込み体験をしたり、生ハムと同じ発酵食品であるワインや味噌に関連する施設を見学したりしました。
崎野さん:新学期が始まると、Jambon de Himeki様や春合宿で関わらせていただいた見学先の方が出店する地域の食に関するイベント運営のお手伝いを通して、実際の現場の様子や商品の企画・製造から販売・プロモーションまでを身近で学ぶことができます。それだけにとどまらず、連携先のご協力により自分たちで企画したプロジェクトにも取り組んでいきます。3年生の後半は、実践で得た学びを研究に落とし込んで、学内・学外の研究大会に出場して成果を発表しています。このように主体的に学ぶアクティブラーニングが岩田ゼミの特徴のひとつです。

産学連携先へのインタビューの準備(の合間のひと息)
ーアクティブラーニングの活動の中で、特に印象が残っているものはありますか?
林田さん:私のチームでは、産学連携先のJambon de Himeki様と、その創業者である藤原様の活動をまとめた書籍を作成したことです。インタビューを何度も行い、藤原様の考えていることと私たちの認識のズレがないようにすることが大変でした。6名でプロジェクトに取り組んでいましたが、全員が同じ話を聞いても、そこから汲み取ることや考えることは違うため、執筆の際に一貫性を持たせることが難しかったです。
林田さん:正解が分からない状態で自分の考えと相手の考えに相違が生じたときがあったのですが、批判的思考をもったり、わからないことは理解できるまで徹底的に話し合うことで最善な解答を見つけていくことができました。まだ出版に至っていませんが、インタンジブルズ(目に見えない資産)の観点から「地方創生と起業のヒントがたくさん詰まった深みのある本」になったと思っています。
林田さん:また、プロジェクトを通して行った研究でも考察や議論を何度も行いました。結果として、会計学の全国研究大会にて優秀賞をいただくことができたのでとても嬉しかったです!前に踏み出す力、やり抜く力、チームで働く力という社会人基礎力が身に付いたと強く思っています。プロジェクトを通して、話し合いの際に相手に意見を伝えること、そして自分と異なる意見を最後まで聞いて、自分の中でちゃんと理解することの大切さを学びました。

2023年アカウンティングコンペティションの学術研究部門にて優秀賞を獲得!
ー研究では、どのようなことをしましたか?
崎野さん:研究では、Jambon de Himeki様の事業成功要因がインタンジブルズ(無形の資産)にあることを解明しました。インタンジブルズとは、従業員のスキルやノウハウといった人的資産、顧客とのかかわりである顧客資産、仕入先や地域の人々などの利害関係者との関係性資本やそこから生まれるレピュテーション(評判)やブランドなど、企業の価値創造の源泉となる「目に見えないけど資産」のことです。
崎野さん:私は、研究や普段のゼミ活動で「インタンジブルズ」について深く学ぶことができました。実際に自分の場合で置き換えてみた時に、中学や高校、ゼミや部活、アルバイトでの友人は社会・関係資本に当てはまる、ゼミでの経験や輪読で得た新たな知識は人的資産など、普段は目に見えなくとも確かに存在するものであることを感じ、印象に残っています。
得られるのは知識だけではない!
ーゼミで培ったことはゼミ以外の場面ではどのように活かせましたか?
崎野さん:岩田ゼミはやることが多くて、色々なタスクを同時並行で進める必要がありました。その時に、優先順位をつけて早めにとりかかる習慣をつけることができました。情報の処理能力も早くなりました。就職活動時の公務員試験では教科数が多く、大変でした。しかし、ゼミで培ったタスク管理能力を活かし、優先順位をつけて計画的に勉強を進めたことで効率の良い勉強ができ、合格することができました。
林田さん:サークルやインターン活動において議論を行う際に、自分の意見を言うことへの抵抗感がなくなりました。意見に説得力を持たせられるように根拠を持って来ることや、話し方や伝え方を意識するようになりました。また、卒業研究においても具体的に考えながら進めることができ、研究についてしっかり理解を深めることができました。

ーゼミで培った経験や学びを、これからの社会人生活においてどのように活かしていきたいですか?
崎野さん:仕事に優先順位をつけて進めていきたいです。ゼミ活動で全力で取り組む楽しさや終わった後の達成感を得たので、仕事が大変な時もすぐにあきらめずに過程を大切にしながら取り組んでいきたいと思います!
林田さん:会社でのチーム活動に限らず、パートナーや友人など様々な人間関係において、自分の意見を伝え、相手の意見を理解するために批判的思考力を活かしていきたいです。あと、輪読発表での資料作成スキルやタスク管理などを培うことができて、そのスキルは今後も必要になってくると思うので十分に活かしていきたいです!
ー最後に、岩田ゼミの「魅力」を教えてください!
崎野さん:やっぱり「仲の良さ」だと思います。なんでも言い合える友達が作れます!代によってその時のゼミの雰囲気やゼミ生の特徴は変わるとは思いますが、皆プロジェクトを通していつの間にか仲良くなっていますし、チームで働く力によって大きな成果を残している年も多くあります。あとは生ハムを作ったり、長野へ行ったりと、学内や他のゼミではできないことを色々経験できるのが楽しいです!
林田さん:私も、活動を一緒にするメンバーたちが「魅力」かなと思います。ゼミ生に親身に寄り添ってくれる岩田先生や、活動に全力で取り組むメンバーがいて、皆で能力を引き上げていっている感じがします。そんな私たちや先輩方の活動をみて、ゼミ活動への意欲があり、将来を考えて入ってきてくれる子が多いので毎年大きな成果を残すことができるのではないかなと思いました。

崎野さん、林田さん、インタビューへのご協力をありがとうございました。チームで協力し合って成果を残すだけでなく、互いに切磋琢磨して個人の成長につなげている岩田ゼミの先輩方の姿を思い浮かべることができたと思います。2年生で気になった方はぜひ公開ゼミへ足を運んでみてはいかがでしょうか。
岩田弘尚ゼミナールの基本情報
担当:岩田弘尚 教授 テーマ:「地方創生と管理会計」
人数:18名(内訳:4年男子:3名,女子:8名 3年男子:4名,女子:4名)
Facebook:https://www.facebook.com/iwata.lab/
関連サイト:ジャンボン・ド・ヒメキ:https://www.jambondehimeki.com/
取材・文・写真:経営学部4年 床爪心音
編集:経営学部3年 谷茄月