経営学部では、学生が専門分野ごとに研究活動に取り組むゼミナールを中心に、理論と実践を結びつけながら学びを深めています。
そうしたゼミ活動を支え、学生同士の交流や研究成果の共有を目的に学生が主体的に運営しているのが「経営学部ゼミナール連合会」です。
毎年秋に開催される「合同研究発表会」では、各ゼミの学生が研究成果を発表し、他ゼミの学生や教員と議論を交わします。研究内容を共有することで、新たな視点や気づきを得られる貴重な学びの場となっています。
今回は、2025年10月11日に開催された合同研究発表会で実行委員長を務め、自身も発表者として参加した経営学部経営学科3年(取材当時)の大城笑理さんにお話を伺いました。

■産学連携プロジェクトの成果を発表
――まず、発表した研究について教えてください。
大城さん:
私たちの研究テーマは「アクションリサーチによる中小企業の統合報告書の改訂」です。
岩田ゼミでは、プラスチック射出成形を行う中小企業と産学連携で統合報告書を作成しています。
統合報告書とは、財務情報だけでなく、社会や環境への取り組みなどの非財務情報も含めて、企業の価値を伝える報告書です。
今回は2020年に作成された統合報告書を見直し、経営学のフレームワークを活用して改善に取り組みました。
――研究や発表準備で苦労したことはありましたか。
大城さん:
企業の現状や課題を正確に把握することです。
社長へのインタビューを通じて得た情報を、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やSWOT分析といった経営学のフレームワークで整理し、課題を分析していきました。
また、発表資料も何度も修正しました。他ゼミの学生にも伝わるように説明を工夫したことで、自分たちの研究内容への理解も深まったと思います。
発表だからこそ得られる気づき
――実際に発表してみて、どのような学びがありましたか。
大城さん:
質疑応答が特に印象に残っています。
学生や先生方から、自分たちでは想定していなかった質問をいただき、「伝わっていると思っていた内容が十分に伝わっていなかった」と気づくことができました。
第三者の視点を通して研究を見直すことで、新たな改善点や発見がありました。

岩田ゼミ地理的表示チームの発表の様子
――他のゼミの発表から学んだことはありますか。
大城さん:
とても刺激を受けました。
特に印象的だったのは、「神奈川県産学チャレンジプログラム」に取り組むゼミの発表です。学生が企業に企画提案を行う内容で、私たちとは異なるアプローチの産学連携を知ることができました。
普段接することのない研究に触れられることは、合同研究発表会の大きな魅力だと思います。
■学びの舞台を支える実行委員長
大城さんは研究発表だけでなく、合同研究発表会全体を運営する実行委員長も務めました。
――実行委員長としては、どのような仕事を担当したのでしょうか。
大城さん:
開催日程の調整から会場の確保、懇親会の準備、当日の運営まで幅広く担当しました。
また、各ゼミの代表者や先生方に参加を呼びかけることも重要な役割でした。
――実行委員長に立候補した理由を教えてください。
大城さん:
学生主体で経営学部の学びの場をつくれることに魅力を感じたからです。
イベント運営を通じて、企画力やコミュニケーション力など、社会に出てから必要となる力を身につけたいと思いました。
昨年度の実行委員長を務めた先輩から勧めていただいたことも後押しになりました。
■運営を通して身についたマネジメント力
――運営でやりがいを感じた瞬間はありましたか。
大城さん:
イベント終了後に、先生方や参加学生から「進行がスムーズだった」「参加してよかった」と言っていただけた時です。
準備期間は大変でしたが、その言葉を聞いた時に頑張ってよかったと感じました。
――苦労したことは何でしたか。
大城さん:
各ゼミの代表者や先生方とのメール対応です。
日程調整や依頼事項の連絡では、失礼のない表現になっているか何度も確認していました。
――その経験から得られた学びはありますか。
大城さん:
ビジネスの場では、メール一通にも責任が伴うということです。
学生のうちにこうした経験ができたことで、社会人に必要なコミュニケーション力を実践的に学ぶことができました。
ゼミの枠を超えて広がる学び
――最後に、後輩や受験生へのメッセージをお願いします。
大城さん:
合同研究発表会では、普段関わることのないゼミの研究に触れたり、意見交換をしたりすることができます。
発表会後の懇親会でも交流が生まれ、学びだけでなく学生同士のつながりも広がります。
多くのゼミが参加することで、さらに多様な研究や議論が生まれると思います。ぜひ積極的に参加してほしいです。
■学生がつくる学びの場
合同研究発表会は、研究成果を発表する場であると同時に、学生が主体となって学びの場を創り上げる機会でもあります。
大城さんは、発表者として研究を深めるだけでなく、実行委員長としてイベント全体を運営することで、企画力や調整力、コミュニケーション力を磨きました。
経営学部では、教室で学んだ理論を研究やプロジェクト、イベント運営の実践につなげる機会が数多くあります。合同研究発表会は、そうした「学生主体の学び」を象徴する取り組みの一つといえるでしょう。
取材・文:経営学部3年 小林花菜子
編集:経営学部 2年 山吉璃咲
※取材当時